
8月に入り先発として安定した投球を見せている西野
確かな戦力として一軍の舞台へ戻ってきた。
西野勇士が8月5日の
楽天戦(楽天生命パーク)で久しぶりの白星を手にした。最速146キロの直球とカーブで緩急を使い、スライダーとフォークを決め球として選択。低めに制球し、5回3安打無失点の好投。2017年9月30日の楽天戦(Koboパーク)以来、674日ぶりの先発勝利に「本当にホッとしてます。首脳陣の期待に結果で応えられてよかった」と安堵の表情を浮かべた。
昨季は開幕前から先発一本で調整してきたが、シーズンに入ると中継ぎでの起用を言い渡された。14試合で0勝0敗、防御率6.19と不本意な成績に終わり、戦力外の危機感も芽生えていたという。
迎えた今季。序盤はビハインドの場面での中継ぎ起用が続いたが、結果を出し続け、首脳陣の信頼を勝ち取ってきた。一時は不調に陥った守護神・
益田直也の代役として抑えを務め、3年ぶりのセーブも挙げるなどフル回転の活躍。球宴前には先発陣の駒不足を補うのは「西野しかいない」と
吉井理人投手コーチから先発転向を命じられ、「ビックリしましたけど、やってやろうと思った」と意気に感じてファームで力を磨いてきた。
「今季に限ってはいろいろなところを任されている。起用してくれているコーチ、監督に感謝したい。結果で期待に応えたい」と気合十分で臨んだマウンドで仕事を果たした背番号29。かつては侍ジャパンの守護神まで上り詰めた男が“便利屋”に徹して逆襲のワンピースとなる。
写真=BBM