
移籍による重圧をものともせず、攻守の要となってチームをけん引する巨人の丸佳浩
加入による影響は計り知れない。昨年まで
広島を3連覇に導いた2年連続セ・リーグMVPの丸佳浩は、新天地でも攻守の要としてチームをけん引している。
「子どものころからプロ野球を見に行くといえば東京ドームでした。小さいころからのあこがれ、夢だった。それが(移籍の)決め手になりました」
昨年12月に5年総額25億5000万円の大型契約で巨人入り。2006年に
日本ハムでパ・リーグMVPに輝き、翌07年に巨人に移籍し、リーグをまたいで2年連続MVPを受賞した
小笠原道大(現
中日二軍監督)とも重ねられ、大きな重圧とともにプロ12年目のシーズンを迎えた。
丸効果は戦力アップに止まらない。春季キャンプ以前のジャイアンツ球場で自主トレしていた期間から、その練習量の多さは巨人ナインを感化させた。広島時代から愛用するヘルメットのフェイスガードも、
坂本勇人らが丸をマネて導入を決めたものだ。
原辰徳監督も「彼のペースにジャイアンツの選手が巻き込まれている雰囲気はあるよね」と感心した。
開幕後も安定した活躍を見せる。8月29日時点で打率.300、23本塁打、72打点。随所でチームを救い、首位快走を支えている。それでも丸は冷静さを失わない。「目の前の試合を1試合1試合を戦っていって、勝っていければ当然、優勝に近づくわけですから、まだまだ油断はできないですよ」。2年連続MVPの“優勝請負人”は、一戦必勝の先に歓喜の瞬間があることを知っている。
写真=BBM