
抜群の勝負強さを発揮する中村
“四番・
中村剛也”が帰ってきた! 8月11日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)戦で約2年ぶりにかつての“定位置”に座ると、22日に休養のためスタメンを外れた以外、9月10日まで全試合で四番を任されている。
昨季から新たにその地位に就いていた
山川穂高が状態を落としていることもあるが、決して“穴埋め”感はない。というのも、8月10日までの成績は打率.279、20本塁打、リーグ2位の81打点と堂々たるもの。自らの手でつかんだと言っても過言ではない。四番に入ってからはさらに状態を上げており、同打順で先発出場した際の成績は、ここままで打率.340、8本塁打、36打点と頼もしい限りだ。
今季の中村は勝負強さが断然違う。得点圏打率はリーグ2位の.366。決して本塁打へのこだわりをなくしたわけではないが、それ以上にチャンス時には、状況に応じた一打で得点を生み出す。「あんまりバッターボックスで相手の配球などを考え過ぎると、ついつい狙っていない球などに手を出したりするので、だいたい『次、この辺に来るんじゃないかな』と思いながら、そこに(球が)来たら、きちんと自分のスイングで打つ」が、チャンスで結果が出ている秘訣だ。
約9年間にわたり、チームの四番を背負い続けてきた格の違いを存分に見せつけているが、「今のチームは本当なら山川が打つべきだと思っている」と新四番の実力を誰よりも認め、復調を願っている。
心優しき“元祖・四番”が、その力強く美しい一打で、チームを逆転優勝へと導いていく。
写真=BBM