
ベテランはまだまだ健在だ
プロ18年目の大ベテランが、再び輝きを取り戻している。
石川雅規は、最下位に低迷するチームで先発陣の中心として腕を振っている。8月14日の
DeNA戦(神宮)では、8回一死までノーヒットノーランを継続。「いつかは打たれるんだろうと思いながら投げたけど、一人ひとりという気持ちがあったからノーヒットでいけたと思う。バックの好守備もあったので助けられました」と振り返った。
今季、先発陣は開幕投手の
小川泰弘が振るわず、コンディション不良の
原樹理や
日本ハムから移籍した
高梨裕稔らも期待に応える活躍をできていない。そんな中、39歳の左腕は9月8日現在で21試合に登板して7勝(5敗)を挙げている。
中でも注目すべきは、防御率だ。2016年から昨季までの3年間はいずれも4点を超えていたが、今季は3.54。08年には2.68で最優秀防御率のタイトルに輝いた小さな大エースが、シーズン終盤まで安定した成績を残している。
原動力となっているのが、大きな目標としている通算200勝だ。「年齢的にも簡単な数字ではないけど、挑戦するのはものすごくモチベーションになる。1勝1勝積み重ねていきたい」。オフシーズンは断食を行い、体幹を中心的に鍛えた。夏場には長ズボンをはいて就寝するなど、徹底した体調管理も好投につながっている。
「1年でも長く(現役を)続けたい」と口にしている石川。老け込むにはまだ早い。
写真=BBM