
9月3日の西武戦で好投した荒西。過去2度の対戦で打ち込まれた相手にリベンジを果たす投球だった
ドラフト3位のルーキーが、プロの意地を見せた。9月3日の西武戦(ほっと神戸)で7回3安打無四球2失点の好投。援護がなく黒星こそ付いたが、今季一番の投球を見せた。
初回に相手四番・
中村剛也に2ランを浴びてからは140キロ台後半の直球を低めに集め、打たせて取った。7イニング中5イニングで三者凡退とテンポのいい投球で「2点はOKと、すぐに切り替えた。直球で押していけたし、四球を出す気がしなかった」と手応えを口にした。
リベンジ登板だった。西武戦に同日の試合前まで2度先発。7月21日(メットライフ)では6回途中4失点で黒星。8月2日(京セラドーム)では4回途中8失点と大きく崩れ、二軍降格となっていた。8月はファームで3試合に先発し「全力で腕を振ることだけを考えた」と精神面を鍛えた。昨季、ドラフトでお世話になった長村球団本部長から「持ち味は強気の投球。社会人ではそれを見て獲得した」と激励を受け、本来の自分を取り戻した。
12球団で得点トップの“獅子打線”を封じ、
西村徳文監督は「以前よりしっかり投げきっていた。ボールに力があった。今日は荒西が一番の収穫」と称賛。
高山郁夫投手コーチも「素晴らしかった。これを続けることが大事になる」と期待を膨らませる。
社会人を8年経験し、指名漏れを味わった苦労人が大きく成長した。5年ぶりのAクラス入りに向けて最後まで戦うチームに心強い存在が現れた。
写真=BBM