
走塁にも注目だ
秒速の世界にこそ、プロ野球の妙が詰まっている。今季の
山田哲人は「足技」でも魅せている。2015、16、18年と3度の盗塁王を獲得した経験のあるスピードスターが新たな境地に達した。
0コンマ数秒の戦いに勝ち続けてきた。8月23日の
阪神戦(神宮)の初回。一走・山田哲は二盗に成功。昨年8月26日の
DeNA戦(神宮)から続く連続盗塁成功を「33」とし、11~15年に
ソフトバンク・
福田秀平が記録した「32」を抜いて、連続シーズンでの連続盗塁成功のプロ野球新記録を打ち立てた。
「スタートは完璧に近い形でした。中間走とスライディングはそこまでではなかったけど、スタートが良かった分、セーフになった」
さらに、今季の山田哲はこれだけにとどまらない。8月29日のDeNA戦(横浜)の4回には二盗を決め、「理想的というか、自分の走塁で得点に絡むことができた」とうなずいた。今季30個目となる盗塁で、プロ野球新記録の4度目となる30本塁打と30盗塁の「30・30(サーティー・サーティー)」を達成。同戦の6回にも二盗を成功させ、1964年に南海・
広瀬叔功がマークした同一シーズンの連続盗塁成功「31」のプロ野球記録に並んだ。
そして、翌30日の
中日戦(ナゴヤドーム)の5回には今季32盗塁目を決め、広瀬の記録を抜いてプロ野球新記録を達成。類いまれなる野球センスで多くの記録を作ってきた背番号1が、足でも歴史に名を刻んだ。
写真=BBM