
広角に打ち分けるシュアな打撃を武器に一軍に定着している中川圭太
ドラフト7位のルーキーがチームに欠かせない存在になった。「五番・一塁」で先発出場した9月9日の
楽天戦(楽天生命パーク)では今季4度目の打賞。3回無死で岸から約4カ月ぶりの2号本塁打を放った。9月12日時点で98試合出場、打率.296、2本塁打、28打点と打撃で貢。守っても一塁、三塁、外野でスタメン出場があり、高い適応能力を見せつけている。
開幕は二軍スタートだったが、4月20日に一軍登録されると、ここまで一度も降格せずにチームに帯同。交流戦は打率.386で史上初めて新人選手として首位打者に輝いた。
PL学園高、東洋大では四番を任されていたが、プロのボールに対応するためにコンパクトなスイングを心掛け、早くから結果を残した。7月は月間打率.167と一時、不調に陥った。
それでも「軸がぶれてスイングの軌道が遠回りしていた。意識の問題で、体のバランスを修正して結果も出ました」と8月には月間打率.315とすぐに適応。シーズン中のわずか1カ月で持ち直した。
得点圏では9月23日時点で打率.373と勝負強い。意識は「前に飛べば何かが起こるので、まずはバットに当てること」と状況に応じることを最優先。チームにとってベストな選択を取っている。
昨秋のドラフトでは東洋大で同期の
上茶谷大河(
DeNA・1位)、
甲斐野央(
ソフトバンク・1位)、
梅津晃大(
中日・2位)が話題をさらい、中川圭太は下位指名に甘んじた。悔しさをバネに上位指名に負けない活躍を見せている。
写真=BBM