
フル回転でロッテのブルペンを支えた東條
シーズン“完走”を果たした。
東條大樹は4年目の今季、自己最多58試合に登板し52回1/3を投げ1勝0敗16ホールド、防御率3.78をマーク。救援陣では
益田直也と2人だけが二軍落ちすることなく一軍に居続けた。
直球とスライダーの2種類で好成績を残せた理由は「打者の反応を見ながら自信のあるボールをどんどん投げていけたから」。打者の顔つきや、前の打席までの配球をインプットし、マウンドに上がれば、ただ全力で右腕を振った。
数字にも増して印象に残ったのが、
楽天の主軸である
浅村栄斗と
ブラッシュとの対戦シーンだ。ブルペンでは「またこの2人か……」と同僚たちに漏らしたというが、横で聞いていた
松永昂大は「それは向こうも同じことを思ってるで!」と返してきたという。浅村に対しては5打数無安打1四球、3三振。ブラッシュには7打数無安打1四球、5三振。四球も攻めにいった結果で、完璧に抑え込んだ。
今季序盤は敗戦処理だったことを考えれば、飛躍のシーズンだった。活躍の裏側には家族の支えもあった。5月に1歳下の一般女性と結婚。「性格も明るくて、『いつもどおりにやれば大丈夫だよ』とネガティブな僕をいつも励ましてくれる」と優しい性格にひかれ、「この人のために頑張りたい」と大きな励みになっている。
公私共々、充実したシーズンを送った東條は来季に向けて新球習得に意欲を見せている。「まだ秘密です」と笑ったが、確固たる地位を築くためにオフも努力を重ねるつもりだ。
写真=BBM