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10月11日のCSファイナル第3戦で、9月12日以来に西武と相まみえる千賀
ノーヒッターの称号を得て、すごみが増していた。9月12日の西武戦(メットライフ)。
千賀滉大が首位攻防戦で仁王立ちした。8回を4安打1失点。優勝マジック12を点灯させた。「ある意味、試合に入るのをやめた。大事かどうかも考えずマウンドに上がった。自分のやるべきことだけを考えて」。無の境地だった。
同6日の
ロッテ戦(ヤフオクドーム)で球団史上76年ぶりとなるノーヒットノーランをやってのけた。ただし、その代償として133球を投げての中5日。コンディション面の不安を剛球で黙らせた。0対0のまま迎えた7回は一死二、三塁の大ピンチ。「先に点をやるわけにはいかない場面。三振を狙っていった」。ここで
栗山巧、
外崎修汰を連続三振に仕留めると、直後に味方の援護点が生まれた。
ノーヒットノーランは確かにベストゲームだが、直後の天王山で見せた快投の価値はそれ以上だろう。
倉野信次投手コーチは「素晴らしかった。1球1球の精度はノーヒットノーランのときよりよかった」と証言したほどだ。
工藤公康監督も「落ち着いて投げているように見えた。素晴らしい投球」と称えた。
チームもマジックを初点灯させ、一気にVロードへと進むはずだった。それでも千賀は「(優勝は)まだまだ遠いと思う。自分の役割をしっかり果たしたい」と足元を見つめていた。そのあとの2試合は勝利をつかめず、西武が逆転V。チームのエースから日本球界のエースへと駆け上がる右腕は、まだまだ高みを目指す。
写真=BBM