
離脱することなくポストシーズンまで駆け抜けた甲斐野は、オフは侍ジャパンとしても腕を振る
ワクワクして初交渉の席に臨むことになるだろう。チームトップ65試合に登板したルーキーの
甲斐野央は年俸1500万円(金額は推定。以下同)からの大幅アップは間違いなし。最近では新人王に輝いた
攝津正が1200万円から5000万円、
森唯斗が1200万円から4800万円と初年度のオフに大幅増を勝ち取っている。ともにリリーフで1年目からフル回転。1年間ブルペンを支えた甲斐野にも同等の評価が期待される。
「いろんな経験をさせてもらって、濃厚なシーズンだった。登板数は良かったと思えるけど、防御率などを見ると、まだまだ上を目指さないといけない」
鮮烈なデビューだった。3月29日の
西武との開幕戦(ヤフオクドーム)でプロ初登板初勝利を飾ると、デビューから13試合連続無失点のプロ野球記録を樹立。もちろん、そんなに甘い世界でもなく、苦しい時期もあった。「シーズン途中でどこをどうすれば元のピッチングに戻れるか分からない状態に陥った。体の疲れとか、迷いとか、そういうものが重なった」。もがきながらも一度も離脱することなく“完走”した。
リーグ優勝は逃したが、CSを勝ち抜き、日本一へと駆け抜けた。「CSや日本シリーズは、もう一回デビューと同じような気持ちで迎えたい」と初々しい気持ちで臨んだ。
巨人との日本シリーズ第3戦(10月22日、東京ドーム)では1イニング3三振。「僕のスタイルは腕を振らないと勝負できない」。豪腕は契約更改でも注目が集まる。
写真=BBM