
岡には大きなポテンシャルが秘められている
来季は29歳になる
岡大海が、本人も周囲も悲願のレギュラー獲得へ向けて、まるで入団2、3年目の若手のように忙しいオフを過ごしている。
11月からは20歳の
安田尚憲、23歳の左腕・
山本大貴とともにプエルトリコのウインター・リーグに派遣される。「プエルトリコでは、日本では体感できないスピード、パワーを感じ、レベルアップして帰ってきたい」。ウインター・リーグは若手成長株を派遣するのが通例だが、今回は球団がそれだけ岡の体にはまだ、眠っている伸びしろがあると見込んでいる証拠でもある。
今季は95試合に出場し、打率.227、6本塁打、16打点、13盗塁。盗塁は14企図で失敗は1度だけの成功率.929と、投手出身の強肩を生かした守備、そして代走としてチームに欠かせない存在だった。
ただ、裏を返せば才能を持てあまし、レギュラーをつかみ切れない男でもある。今季は開幕一軍入りを果たしたが、21打席連続無安打と極度の不振で二軍降格を味わった。打球の飛距離もチームトップクラスだが、確実性に欠ける。「きっかけをつかんでほしい」と
井口資仁監督は、秋季練習に参加した岡を若手主体の宮崎フェ
ニックス・リーグに途中派遣。実戦の繰り返しで覚醒を待つ。
外野のレギュラー候補は来季、
荻野貴司が35歳、
清田育宏は34歳、
角中勝也は33歳と年齢層が高い。昨季途中にトレード移籍し、「うちのチームにマッチする」と指揮官も気に入る攻守走を備えた岡。原石は磨かれ、光り輝く時を待っている。
写真=BBM