
大きな目標へ向けて安打を量産する
キャプテンはシーズンが終わっても力強かった。2019年、野球人生で初めて主将を務めた
銀次が12月中旬、球団事務所で契約更改交渉に臨んだ。19年に取得した国内FA権は行使することなく、球団と新たに3年契約を結んだ。新たな契約書にサインし、目標を問われると「日本一」とキッパリ言い切った。
13年以来、チームとして7年ぶり2度目の日本一を目指すだけではない。個人成績でも頂点を狙うことを誓った。「個人としても日本一打つバッターになりたい。野球をやっている以上、首位打者はずっと狙いたいと思っています」と意気込んだ。
19年は141試合に出場し、パ・リーグ4位の打率.304。シーズン自己最多となる161安打を放った。好調をキープできた要因は「3カ年計画」と位置づけて肉体改造を続けてきたからだという。
詳細は伏せたが、
イチロー氏が現役時代に行っていた初動負荷トレーニングも取り入れた。目指したのは「強い筋肉を作る。その上ですぐに動けること」。効果は雨天での一時中断後、再開されたゲームで実感した。「みんなは動けていなかったけど、自分はすぐに動けた」。すぐにトップギアの状態に入れる体を作ったことは、確かな自信をもたらした。
このオフはさらに新たなトレーニングも取り入れている。「1年でも長く40歳までやりたい。それで2000安打を打ちたい」。結果を残すことがチームのためにもなると信じ、安打を量産し続ける。
写真=BBM