
悪天候でノーゲームとなった昨年9月の試合で軽快なステップを披露して、スタンドに残ったファンを喜ばせた
ラミレス監督は公表をもったいぶっているが、新たな主将への抜てきが濃厚となっている。今季4年目を迎える
佐野恵太はメジャー・リーグ、レイズに移籍する
筒香嘉智の後釜として外野のレギュラー定着が望まれるだけでなく、一気にチームの中心人物へと飛躍が求められる1年となりそうだ。
佐野はドラフト9位でのプロ入り以来、並外れた長打力を指揮官に見い出されてきた。昨季は開幕から代打で貴重な快打を重ね、3月31日の
中日戦(横浜)でサヨナラ適時打、4月4日
ヤクルト戦(神宮)では初の満塁本塁打を記録した。シーズン終盤には11試合で四番も任され、筒香の抜ける2020年打線ではその有力候補とラミレス監督が公言している。
加えて、佐野にはムードメーカーとしての一面がある。指揮官はかねて「あまり知られていないかもしれないが、佐野はミーティングで重要な役割を担っているんだ」と語ってきた。試合前に戦略等が一通り伝えられると、最後に佐野に発言が求められることが多いのだという。そこで佐野は「セミが人間の大きさになって鳴くと……」といった雑学を披露して場を和ませる。佐野自身もそうした振りに対応できるよう、常に新たな‟小ネタ”を仕入れているのだそうだ。
倍増の推定年俸2400万円で契約更改した席で、球団からレギュラー定着を期待されたことを明かした。「個人的には、かなりチャンスだと思っている。逃さず、規定打席以上に立つ」と力を込めた。
写真=大賀章好