
原辰徳監督から春季キャンプMVPにも選ばれた巨人のI.モタは育成から支配下昇格へ
春の“主役”といっても過言ではない。入団2目の育成外国人のI.モタについて、原辰徳監督は「僕の中では彼の存在はビッグニュース」と言い表した。
ドミニカ共和国内で巨人が実施したトライアウトに一度落ちるも“一浪”して合格。1年目の昨季はイースタン・リーグ22試合に出場し、打率.313、1本塁打、6打点。ジャイアンツ球場やキャンプ地・沖縄のセルラースタジアムでは、“スコアボード破壊弾”を放ち、チーム内でもその怪力と豪快な打撃は話題となっている。
今春キャンプはファームでスタート。
阿部慎之助二軍監督も高い潜在能力を見抜いており、第1クールで集中的に鍛え上げられ、2月4日の一軍との紅白戦で決勝打と特大ファウルで力をアピール。左翼、一塁を守る右の大砲は「チーム内の試合だけど、競争していることに変わりはない」と闘争心むき出しに、8日の一軍紅白戦で再びチャンスを得ると、今度は3安打2打点をマーク。即時一軍昇格と沖縄・那覇での二次キャンプ行きの切符をつかんだ。
すでに打ち上げられた沖縄でもフリー打撃で
菅野智之から本塁打を放つなど、大きな可能性を感じさせ、そのアピールぶりに原監督は「攻撃的な、うちにはなかなかいないタイプ。若さ、ハングリーさは非常にいいもの」と目を細めた。
春季キャンプを打ち上げ、帰京後初の練習となった27日、ジャイアンツ球場で原監督がコーチ陣と話し合いを持ち、直後、ナインに円陣で意見を求め、全会一致で「支配下昇格」が承認された。「チームの総意」という形で大塚淳弘球団副代表編成担当に伝えられ、球団は前向きに検討するという。背番号は44が濃厚で、近く、正式発表が行われる見通し。
まず1つ、目標をクリアしたモタは、次は左翼、一塁の定位置奪取を目指す。
写真=小山真司