ルーキーイヤーは一軍出場ゼロ。大卒でプロ2年目の今季、滝野要は勝負に出た。春季キャンプ初日から、本職の外野だけでなく、一塁と三塁の守備に就いたのだ。

「去年の秋に仁村さん（二軍監督）に挑戦したいと言いました。外野も上達途中だけど、両方練習して、人よりも幅を広げたかったんです」。外野用だけでなく、ファーストミットに内野用グラブも持参。出場機会を得るため、大商大1年と4年秋に守っていた一塁と、三塁に活路を見いだした。

　打撃もスタイルを変えた。バットコントロールのうまさから、ミートするのは得意だった。ただ、仁村二軍監督の目には「もったいない」と映った。もっと振れる。だから、ソフトバンクの柳田をイメージして、バットを思い切り振るように求められた。力強いスイングに大きなフォロースルー。そのスイングは、ひときわ目を引くようになった。

　打球は勢いを増した。それでも仁村二軍監督は「もっと振れる」と言う。それも期待の表れだ。滝野も「まだ下（半身）を使えていない。上半身だけで打っている。だから粘りがない」と満足していない。改善の余地はまだまだある。

　もともと動画サイトで他選手の打撃をよく見ていた。今は柳田の動画もよく見る。「今までは三振が怖くて当てにいっていた。仁村さんから三振もオーケーと言われ、思い切りいけている」。昨年のドラフト6位。下位指名からの巻き返しを虎視眈々とうかがう。

写真＝BBM