例年より早い3月20日の開幕戦に合わせて、オフ期間の自主トレ、春季キャンプで鍛錬を積んできただけに、試練の「開幕延期」となった。「ほかのプロスポーツとか延期しているところを見ていても野球もそういう感じになるのかなというふうには思っていた。『やっぱりそうか』という感じで、仕方ないなという感じです」
大瀬良大地は今季、2年連続の開幕投手を託されていた。「3月20日に『100パーセントで!』と思っていた。開幕投手を告げられたときから毎日、20日に合わせてやってきたので、もう一回つくらないといけない」。昨季は初めて大役を任され、
巨人・菅野と投げ合い8回無失点の好投、チームに白星スタートをもたらした。初戦の大事さを知っているからこそ、延期という現実を簡単に受け止めることはできない。
キャンプ、オープン戦と段階を経るごとに調子を上げてきた。今季初実戦の2月23日の
阪神とのオープン戦(コザ)は3回5安打1失点。同29日の
中日とのオープン戦(ナゴヤドーム)は4回で被安打は
ビシエドに浴びた左越えの一発のみ。3月6日の
西武とのオープン戦(マツダ
広島)は山賊打線を相手に、5回3安打無失点。これもすべて3月20日に合わせてきただけに、厳しい現実を突きつけられた。「気持ち的にも体的にも難しさは当然ある。プロ野球選手としてまた100パーセントに合わせてやっていかないといけない。仕切り直してやっていきたい」。まだ不透明な開幕戦に向け、広島のエースが再出発を誓った。
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