
激しい競争の中で猛アピールする
彼らしい回答だった。今季から登録名を「剛」から「幹史(つよし)」へと変更した内野手の山崎。その理由を問われると「ノリです」といたずらっぽく笑った。
もちろん「ノリ」だけで登録名を変えるはずもない。胸に期すところがあっての変更だろう。昨季は二軍で70試合に出場したが、右肩の負傷もあって一軍では16試合出場。50メートル5秒8の俊足を、一軍で存分に生かすことはできなかった。
3年目の今季こそ一軍定着、といきたいところだが、競争はさらに激化した。FAで鈴木大が加入し、ドラフト1位で小深田も入団。現時点でリンパ節炎のため調整が遅れている茂木が復調すれば、状況はさらに厳しいものとなる。
それでも、レギュラー獲りをあきらめてはいない。春季キャンプからは外野にも挑戦。連日のように特守を続けたかいもあって、3月13日からの
巨人とのオープン戦3連戦(東京ドーム)では「中堅手」でスタメン起用。「一番・中堅」で先発出場した15日の巨人戦では4打数3安打2打点と大暴れした。
今季、特に意識してきたのが選球眼と追い込まれてからの粘りだ。「ボール球を見極めて、ストライクを打ちにいく。シンプルだけど一番難しい」。出塁率を向上させ、さらにバッテリーから嫌がられる打者へと成長したい。
オープン戦では塁に出て得点するだけでなく、相手投手に盗塁を警戒させ、打者に集中できない環境も作った。「得点の中で、山崎がすごく機能している。すごく力をつけてきている」と三木監督。自慢のスピードを武器に、三木
楽天の「幹」となれるか。
写真=BBM