
自己最速は158キロの山本由伸。球速が、どこまで伸びるかにも注目だ
伸び上がる直球で未来に向かっていく。
今季プロ4年目を迎える山本由伸は、球速がグングンと上昇。オフも投球フォームや体の使い方を徹底チェックした。
「もしかしたらボールが速くなっているかも……。そんな気はしています。自分の感覚では、昨年とは違うボールになっている。今年も良いオフシーズンを過ごせました」
昨季は自慢のスピードボールを武器に、防御率1.95をマークしてタイトルを獲得。プレミア12にも選出され、日の丸を背負って戦った。侍ジャパンでは“8回の男”として世界を相手に躍動。大会中には自身最速を更新する158キロをマークし、日本を世界一に押し上げた。
まだ21歳。夢の160キロ、そして……日本最速記録である
大谷翔平(現エンゼルス)の165キロを更新する可能性だってある。そんな希望にあふれる若き右腕の調整は特徴的で、「やり投げ」で体のバランスを整える。
「野球のボールは小さく、変な投げ方をしてしまった場合も、気がつかない。野球ボールを投げていると、誤魔化しができてしまう。投球フォームのチェックと力やバランスの感覚を確かめ、体にすり合わせるために(やり投げを)やっています」
若くして見つけた調整方法に自信を持つ。今季の目標は「勝利に貢献して(シーズンの)最後まで優勝争いができるように頑張りたい」ときっぱり。年間を通して先発ローテーションを守り、1996年以来となるチャンピオンフラッグをチームにもたらす。
新型コロナウイルスの影響で、延期となった東京五輪にも意欲を見せる。
「注目度のある特別な大会。楽しみにしています。まだまだ野球人生はこれから。あらためて頑張りたいと思います」
大舞台での勇姿も約束。まずは今季、
オリックスのエースとしてマウンドに君臨する。
写真=BBM