
打席での威圧感は、20歳の若者のものとは思えない
その座を不動のものとする。2月に20歳の誕生日を迎えたばかりの
村上宗隆には今季、四番打者として大きな重圧がのしかかってくるだろう。昨季は36本塁打、96打点を挙げて新人王に輝いた。大ブレークのシーズンを経て、打線の中心に座ることが求められる年。村上にもその覚悟はある。
「もちろん四番を打ちたいと思っていますし、その位置でチームを引っ張る存在になりたいとすごく思いますし、そうやってチームの勝ちに貢献できたらいいと思います」
主砲の抜けた穴を埋められるか。昨季のチーム得点数(656)は、優勝した
巨人の663に次いでリーグ2位。山田哲や青木らが並ぶ強力打線の中心にいたのが、長年四番に座ってきた
バレンティンだった。だが、9年間で288本塁打、763打点を記録した助っ人は今季から
ソフトバンクに移籍。得点力低下が懸念される中、村上の打棒が頼りだ。
高津臣吾監督も「四番を打たないといけない選手」と期待を寄せる。昨季、四番で先発出場したのは25試合で打率.223、2本塁打、16打点だったが、今年は四番に座る試合も多くなるはず。3月20日の
阪神との練習試合(神宮)では「四番・三塁」で先発出場し、2安打1打点と結果を残し「どの打順でも打点にはこだわっていきたいと思いますし、四番に座るならよりチャンスで回ってくるので、よりその責任を果たしたい」と力強く語っていた。
開幕戦で四番に座れば、球団では1956年の
町田行彦の22歳0カ月を更新する最年少記録。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕も延期となっているが、「開幕は絶対来ると思っている」と口にする燕の若き大砲が、チームを勝利に導く。
写真=BBM