
村上の後ろを支える
浮上を目指すチームの中で、重要な役割を担うことになりそうだ。燕一筋18年目の
雄平は、6月に36歳を迎える。
坂口智隆や
楽天から新加入した
嶋基宏らと同学年の「年男」は現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で思うような練習ができない中でも充実した日々を送っている。
「トレーニングをしながら体をより強化していこうとしています。体の状態も落ちるどころか、レベルアップしているように感じます」
年齢を重ねても、よりよいものを求めている。2、3月の実戦期間中はなかなか安打が出ず、試合前練習で一番早くグラウンドに現れることも多かったが、3月24日の
広島との練習試合(マツダ広島)で44打席ぶりの安打となる決勝の左前2点打。新型コロナ禍の中での自主練習期間では投手陣と話す機会が多かったといい「投球のことや野手目線の話、トレーニングについてもそれぞれの理論があるので、いい時間になっています」と勉強の毎日を送った。
今季の
ヤクルトの課題の一つが、どう得点力を上げていくかだ。長年チームの主砲だった
バレンティンが
ソフトバンクに移籍。
高津臣吾監督は実戦期間中、「足」を使った攻撃を積極的にしかけるなど新たなスタイルを打ち出した。だが、もちろんバットでも得点を稼ぎたいところ。バレンティンに代わって四番に座る可能性が高い20歳の
村上宗隆は徹底マークが予想され、後を打つ打者が重要になってくる。それだけに雄平にかかる責任も大きくなってきそうだ。
オフシーズンには「チーム雄平」を結成し、
太田賢吾らと自主トレーニングを行うなど後輩からの信頼も厚い。「開幕日が決まればそこに100パーセントの状態に持っていく」と雄平。今季も勝利に導く一打を放つ。
写真=BBM