
先発ローテ入りなるか
即戦力としての期待がかかる。昨秋のドラフト会議で2位指名を受けて入団した右腕、
吉田大喜だ。身長175センチと決して大きくはないが、「自分の特長は真っすぐのキレと伸び、コントロールだと思います」と最速152キロの直球を武器に、プロの世界で勝負する。
日体大4年春には首都大学リーグで防御率1位に輝き、大学日本代表入り。日米大学野球ではリリーフとして全5試合で計5回を投げて1失点(自責点0)と好投し、評価を高めた。ドラフト会議では1位指名終了直後となる全体の13番目で指名を受けたが、
ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクが「2位で残っているとは思わなかった」と口にするなど“ドラ1級”の逸材だ。
今春の一軍キャンプでは、しっかりとアピールした。2月22日に行われた
広島とのオープン戦(浦添)で実戦デビューを果たし、日体大野球部の後輩ら約50人が観戦する中、2回無安打無失点と好投。広島の主砲・
鈴木誠也も三ゴロに抑え「自分の持てる力は出そうと思って投げました。(力は)ある程度出せたかなと思います」と笑顔を見せた。
同戦では、広島のドラフト1位・
森下暢仁(明大)が相手の先発として登板。大学日本代表で同部屋だった右腕の投球を見た吉田喜は「やっぱりフォームもいいですし、いい投手だと思いました」とライバルから刺激を受けた様子。それでも、「自分は自分なので」と己のスタイルは崩さず、戦っていく覚悟だ。
最下位に沈んだ昨季のチーム防御率4.78は12球団ワースト。1年目の目標に「2ケタ勝利」を掲げた吉田喜が先発ローテーション争いに加われば、厚みが増し、投手力の底上げにも繋がるはずだ。
写真=榎本郁也