
ハマスタの場外にかっ飛ばしたオースティン。パワフルな打撃に対して他球団も警戒の色を濃くする
凄みを増した姿で帰ってきた。「ヤッター!」と日本語で喜んだのはオースティンだ。新型コロナウイルスの影響で延期となっていた開幕が6月19日に決定。活動休止などを経て、2日の
楽天戦から約2カ月ぶりに対外試合が再開した。1対1で迎えた3回一死二塁。左腕・
弓削隼人のスライダーをフルスイングした。「いい角度でとらえることができた。感触もよかった」。無観客試合でなければ本拠地・横浜スタジアムは大きく揺れていたはず。左翼最上段の看板を超え、140メートル超の2ランが場外へ消えていった。
「開幕から100%。最初から高い集中力でシーズンを戦っていきたい」。交流戦が中止となり、昨年までの143から試合数が減る2020年。
ラミレス監督が目指す開幕ダッシュに不可欠な男だ。メジャー通算33本塁打。海を渡った
筒香嘉智の穴埋め役として新加入した。
オープン戦では12球団トップの4本塁打。練習試合はソトと入れ替わって三番起用されたものの、超攻撃的二番として相手の脅威になっていた。「オーダーに自分の名前が入っていれば、打順についてはどこでも大丈夫」と本人にこだわりはない様子。強打者が入ることがトレンドになってきた「二番」の適性は十分だ。
現時点で四番の
佐野恵太は不動。一番は
梶谷隆幸や
神里和毅らでハイレベルな争いを展開し、発展途上の新主将を支える中軸はオースティンとソトで二、三番を、五、六番は
宮崎敏郎とロペスで臨機応変に構成することになりそうだ。来日1年目から自主練習など難しい調整を強いられても「長いシーズンをフルに戦える体づくりをして、開幕までにアジャストしたい」と気持ちは高まるばかり。強く、たくましく突き進む。
写真=大賀章好