
3安打の活躍でチームの勝利に貢献した大田
ようやく
日本ハムらしい試合展開で勝利したのが7月21日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)だ。対戦カードが2回り目となった初戦。相手の先発は2018年から6連敗中だったエース
千賀滉大。6回まで無得点に封じられたが、主役たちが躍動したのが7回だった。
二死三塁の状況で難敵を打ち崩したのは一番・西川。内角への156キロの真っすぐを体をクルリと回転させて引っ張り、右翼フェンス直撃の同点適時二塁打を放った。さらに続いたのが、この日の勝利の立役者となった二番・
大田泰示。シーズンの開幕から極度の打撃不振に苦しんでいたが、この日は3回までに2安打をマーク。勝負どころの7回にも左前打を放ってチャンスを拡大し、相手の絶対的エースを降板させた。
投手陣も会心の出来だった。先発の杉浦は特長の伸びがある真っすぐに威力があった。千賀との投げ合いで一歩も引くことなく、6回5安打1失点。逆転劇への流れをつくった。終盤3イニングは勝利の方程式を投入。公文、宮西、秋吉が無失点リレーで1点リードを守り切った。投打がかみ合い、今季初めてカードの初戦を制した。
開幕から打撃陣が極度の不振で、逆転勝利数は対戦1回りが終わった27試合で5試合だけ。一方で守備でのミスも目立ち、逆転負けは7試合で、先制されてしまえば押し切られてしまうも多かった。ロースコアで我慢しながら好機に畳み掛けて勝利を奪う、北海道移転後に積み上げてきた伝統的な戦い方が、ようやくできたのが開幕から28戦目のソフトバンク戦だった。投打における個々の主力の能力は他球団に引けを取らないだけに、浮上のきっかけにしたい一戦となった。
写真=BBM