夏場に本領を発揮したい中村
ライオンズの“夏男”といえば、この男だろう。今年で19年目を迎えた
中村剛也。2018年シーズンでは、春先から打撃不振に苦しんだが、プロ入り後、初めてバットを変えるなど、試行錯誤の結果、7月から状態が急上昇。8月には打率.319、12本塁打、26打点の成績を残し、自身2度目の月間MVPも受賞した。
昨シーズンも、暑くなった6月から一気に打率を上げ、7月に7本塁打を放ち、存在感を示した。8月11日からは、2年ぶりに四番に定着。これまでの、本塁打に主眼を置いていたスタイルから一変し、状況に応じた幅のある打撃で勝負強さを見せつけ、8月は打率.384、5本塁打、25打点と大暴れした。一昨年、昨年と、チームはリーグ優勝を遂げているが、この中村の活躍なくしては果たせなかったと言っても過言ではないだろう。
その意味でも、リーグ3連覇、そして今年こそ念願の日本一を達成するためには、やはり、夏場以降の“キング”の快音は絶対に欠かせないのである。昨季、プロ18年目にして、本塁打数以外、ほぼキャリアハイに近い成績を収め、今季は開幕前に、ここ2年連続の本塁打王の山川と「チーム内での本塁打王争いがしたい」と、意欲を語っていた。今年は、新型コロナウイルスの影響で開幕が6月からとなり、8月11日現在、打率.240、5本塁打、15打点と、まだ本調子には至っていない。
だが、チームのクリーンアップがそろって不調の中、勝負どころや、起爆剤となる安打など、価値ある一打で勝利に大きく貢献している。11日の
楽天戦(メットライフ)では右足首をねん挫した
山川穂高の代わりに四番に入った。自身の誕生日月でもある、大好きな8月に突入した。ここまでなかなか波に乗り切れていない、ライオンズ自慢の山賊打線を活性化させるためにも、いよいよ本領発揮といきたいところだ。
写真=BBM