現在も18盗塁でリーグトップの近本。足で相手チームをかき回し、虎打線をけん引している
ペナントレースの折り返し地点でリーグ最多盗塁をマークしているのが
近本光司だ。さまざまな状況を考えて、もっとも「盗塁王」に近い男と言えるだろう。
本人も「足を生かしたプレーを見せたい」と語り、シーズン前から「2年連続盗塁王」を目標に掲げた。まさに有言実行というべき働きをみせている。
ルーキーイヤーだった昨季は36盗塁でタイトルを獲得。「去年以上にやらないといけない」と臨んだ2年目は走りにさらなる磨きがかかっている。
今シーズン10個目の盗塁を決めたのは7月29日の
ヤクルト戦(神宮)だった。今季初の三盗での2ケタ到達は1年前とほぼ同じペースだ。
クレバーでどん欲な男は、昨秋キャンプでスライディングに改良を加え、走塁練習を徹底しながら進化を求めた。その結果が2年目のジンクス打破へとつながっているのだ。
もっとも盗塁のタイトル獲得には出塁率アップが求められる。その点でも一時1割台の打率が急上昇した。8月度はリーグトップ月間38安打を放ち、3割超えを目前にしている。
8月は1試合に2盗塁した2試合を含んでおり、15盗塁でトップをキープした。打席でも、出塁しても厳しいマークにあうが、そこをかいくぐってきた。
「一番」に座ったことで生き返って塁上をかき回す。首位・
巨人を猛追していきたい矢野
阪神にとって、近本のパフォーマンスはシーズン後半の最大の武器になる。
写真=BBM