
三好 匠
広島には守備の“匠”がいる。
楽天から移籍して2年目を迎える
三好匠だ。守備のスペシャリスト
菊池涼介に引けを取らない守備力で、試合終盤に圧倒的な存在感を見せている。今季は主に三塁の守備固めとして10月13日現在49試合に出場。グラブさばき、守備範囲、肩はすべてトップレベルで、ファインプレーを連発。失策数はわずかに1つと抜群の安定感をみせる。
いまだ記憶に残るのは6月19日、
DeNAとの開幕戦(横浜)。三好は
メヒアに代わって1点リードの8回から三塁の守備に入ったが、一死三塁、一打同点の大ピンチで、打者は新助っ人の強打者
オースティン。大瀬良が投じた2球目を強打され、打球はすさまじいスピードで三塁へ。三遊間を抜けたかに思われたが、ボールは三好のグラブに吸い込まれた。捕球後すぐに体を回転させ、すかさず本塁へ送球。超ビッグプレーで、エースを援護。チームを開幕戦勝利に導いた。
今季、三塁のレギュラーは堂林がつかんだ。しかし10月13日現在で失策数はリーグワーストの「13」。他チームの選手も苦戦する難しいポジションで、難しいバウンドの打球も無難にこなす。福岡・九州国際大付高では3年春のセンバツでエースとしてチームを準優勝に導いたほどの強肩も武器の一つ。三塁から一塁への送球は、どんな悪い体勢でもコントロールされ、糸を引くように一直線に一塁手のグラブに収まるシーンを今季は幾度となく披露している。
一方の打撃は10月13日現在で19打数2安打にとどまり、打率.105と低迷する。しかし圧倒的な守備力でカバーし、今季は1年間 一軍で完走する見込み。広島に欠かせない存在となっている。
写真=BBM