
新天地ではブルペンを支えた
米球界から3年ぶりに日本球界に復帰した
牧田和久。サブマリン右腕にとって、今季は特別なシーズンだった。1月に、タレントでフラワー空間デザイナーとしても活躍する立木シュウさんと結婚。7月には第一子が誕生した。
一家の大黒柱となったアンダースローは、中継ぎ陣の柱として活躍した。チーム最多の52試合に登板し、2勝2敗2セーブ、22ホールド、防御率2.16。時には抑えも任されるなどフル回転の活躍だった。「アンダースローという強みを持って、テンポのいい投球、緩急をつけた投球を心掛けた結果だと思う」と充実感をにじませた。
直球は130キロ前半ながら、
シュート、スライダー、チェンジアップと豊富な変化球で相手打者を幻惑した。中でも、自ら効果的だったと語ったのがカーブだった。90キロ台のスローカーブで緩急をつけ、さらに相手打者の間合いを狂わせた。投球のテンポが早いだけに、なおさら戸惑う打者も多かった。「有効かなと思いましたね」とうなずいた。
今年で36歳を迎えたベテラン右腕。来季は2年契約の最終年となる。家族のためにも活躍したい思いは強いはずだが「変にしっかり抑えようと思うと、結果が出なかったりする。気持ちが大事かな。とにかく自分のピッチングをすること」。マウンド上での表情と同様、あくまでも淡々と語った。
来季の目標には「日本一」を掲げた。「高い目標を常に思うことで達成できると思う。常日ごろから(日本一を)思うことが大事」と真剣な表情で語った。強い思いを持ち続けなければ、高い頂きには到達できない。来季も強い責任感を胸に、サブマリンは腕を振る。
写真=BBM