
新天地・ロッテで迎えたプロ17年目の今季。10月25日のオリックス戦(京セラドーム)で通算350二塁打を達成した鳥谷敬
プロ18年目となる2021年。6月26日には不惑の40歳を迎える。鳥谷敬はすっかりロッテのユニホームが板に付いてきた。史上43人しか達成していない通算1000得点まであと3。クライマックスシリーズ(CS)敗退後は「この先どうなるかは全然分からない」と話していたが、新天地2年目のシーズンに踏み出す。
今季は試合終盤の守備固めや代走が多く、プロ入り後最少となる42試合の出場にとどまった。
阪神時代は1939試合連続出場を果たし、
衣笠祥雄氏(
広島)に次ぐ歴代2位の記録を残した。年齢を重ねて立場が変わる中で「試合に出る、出ないは関係なしに、自分の役割をやっていきたい」と全てを受け止めた。
ベンチでは、
安田尚憲や
藤原恭大といった若手選手に積極的に助言。新型コロナウイルスに感染してチームを離れた際には、選手会長の
益田直也が「雰囲気が暗くなった。上の人たちが抜けると、こうなるんだと肌で感じた」と存在の大きさを口にした。
今季は5得点だけだったが、判断力の良さが光るプレーもあった。8月20日の
ソフトバンク戦(ZOZOマリン)は4対4の延長10回に代走で出場し、二死一、二塁から
椎野新の暴投で二塁から本塁を一気に陥れた。タッチをかいくぐるようにしてヘッドスライディングを決め「ベストを尽くした結果が勝利につながって良かった」とうなずいた。
10月25日のオリックス戦(京セラドーム)で、通算350二塁打を達成した際には「個人的な記録にこだわりはない。ただ、ロッテに拾ってもらわなければ、この結果はなかった」と話した。こつこつと積み重ねることで、大きな記録にたどり着く。それを示すことが、若手選手たちの何よりの教材となる。
写真=BBM