
こだわりを持つ“3年目”へ。ロッテ・古谷拓郎が先発ローテ争いに加わるべく春季キャンプからアピールする
自他ともに認める雨男だ。古谷拓郎は昨年の契約更改の席で「一軍で先発初登板もさせていただいた。来年に向けていい経験が出来たので、オフに生かしたい」と振り返った。
プロ2年目の昨季に一軍デビュー。昨年10月24日の
オリックス戦(京セラドーム)ではプロ初先発のマウンドにも上がった。4回途中で2失点KOを食らったが「一軍では制球力、決め球がないと苦しい。それを見付けていきたい」と、自身の課題を肌で感じたことに大きな意味があった。
屋根のある敵地で無事に先発デビューを飾ったが、そこまでの過程はまさかの連続だった。本拠地ZOZOマリンでは先発予定が3度も雨で中止となった。優勝争いを繰り広げる中でチームは常に緊張感が張り詰めていたが、
井口資仁監督もその雨男ぶりにおもわず笑みをこぼすほどだった。
球団からは大きな期待を寄せられる3年目右腕。ファンにとっては地元・習志野高出身という千葉の星でもある。古谷にとっては「3年目」というところに強いこだわりを持っている。高卒で入団した近年のロッテ投手陣の主軸は、3年目にブレークするというジンクスを持っている。
昨季、右ヒジ手術を受けたが、将来のエース候補と期待される
種市篤暉は2019年に8勝、昨季、自己最多の9勝を挙げた
二木康太は16年に7勝をマークし、先発ローテーション投手へと駆け上がった。
「二木さん、種市さんは3年目に大きく飛躍しているので、まずはそこを目指していけるようにやっていきたい」
最速163キロを誇る昨季のドラ1右腕・
佐々木朗希、今季のドライチ左腕・
鈴木昭汰ら、先発ローテ争いはし烈となるが、希有な経験を積んだ古谷は2月1日の石垣島での春季キャンプから猛アピールを見せていく。
写真=BBM