
北條の巻き返しで内野陣が引き締まればチーム力も格段に上がる
中堅の域に入って崖っぷちを感じているのが
北條史也だ。「もっとやらないとやばい」。危機感をつのらせた男は、さまざまなものを振り切って勝負に出る。
初めて光星学院高の先輩にあたる
巨人坂本の合同自主トレに参加したのは大きかった。「シンプルに技を磨くようにアドバイスされました」
2016年にはレギュラーだった鳥谷をはじき出す形で、ショートで起用され41試合にスタメン出場して定位置となっていった。しかし、今は逆の立場に追い込まれている。
一昨年は、開幕スタメンをルーキーながら同級生の木浪に奪われ、昨シーズンは小幡にまで取って代わられた。8月下旬には二軍落ちで、一軍に再昇格したのは糸原、木浪らの新型コロナ禍による離脱によって巡ってきたものだ。
自らの実力によって確固たるポジションを勝ち取りたい。そのつもりで突入する9年目シーズンは「何かを変えないといけない」という結論に至ったわけだ。
背番号も「2」から「26」に変更された。本人は「すべていい方向にいくと信じてやるしかない」と新たな気持ちでスタートを切ったところだ。
阪神を退団した福留からは「限界を作らない」という教えを受けた。「まだまだ物足りない」。キャンプでは攻守両面で自分を追い込んでいく。
「本当は自分たちが中心でやっていかないとダメな年代です。常に結果を求めて、自分がそこに入っていけるようにしたい」
北條の巻き返しはチームの底上げにもつながっていく。