
背番号53を背負う長谷川
ポジションを確固たるものとすべく、勝負の年となる。
ソフトバンクの育成から移籍2年目の左腕、
長谷川宙輝はさらなる成長を目指し、「自分の課題と向き合って、自分の長所を生かすためにデータを見たり、改善に取り組んできました」としっかり己と向き合ってきた。
昨季は、シーズンを通して一軍に帯同し、救援として44試合に登板し1勝2敗7ホールド、防御率5.82。「一軍にいる楽しさとか、苦しさを全部経験できたのは(今年に)つながると思いましたけど、成績だけ見たら、ちょっと恥ずかしい」。デビューしただけでは決して満足しない。貪欲に高みを目指している。
武器は何といっても、力強い直球だ。昨年、自己最速を1キロ更新して154キロに。日本人左腕では
菊池雄星(マリナーズ)が
西武時代に記録した158キロがNPB最速で「そこが目標ではないですけど、超えられたら」と意欲を燃やす。だが、ただ速ければいいというものではない。「いかに打者が嫌がるかどうかというのを考えてやっています。荒れ球を生かせれば」と自身の直球の特徴を生かしていく。
オフから、新球の習得にも励んでいる。フォークボールだ。昨季途中から投げていたが、本格的に採用。「決め球というのを重視して取り組みました」。荒れ気味の直球に鋭く落ちる変化球があれば、投球の幅も広がる。
今季から、背番号53をつける。日米通算906試合に登板した
五十嵐亮太が昨季まで背負っていた番号で「重圧ではありますけど、それをはね返せるような投球ができたら」と長谷川。今春の沖縄・浦添キャンプでは初日からいきなり111球を投げるなど、必死にレベルアップに励んでいる。
写真=BBM