山崎も一軍に合流したが、昨年に引き続きクローザーは三嶋が務める可能性が高い
自覚と責任感が詰まっていた。「今年は今年。少しでも油断や隙を見せてはいけない。一からアピールするつもりでやりたい」。今年1月の自主トレ。
三浦大輔監督が現役時代に鍛錬を積んだ神奈川・厚木市内で、
三嶋一輝は力強く決意表明した。
2015年からベイスターズの絶対的な守護神を務めてきた
山崎康晃の不振。それを見事にカバーしたのが昨年だった。7月29日の
巨人戦(東京ドーム)でプロ初セーブ。「マウンドでベストの投球をすることだけを考えた。一喜一憂せずに、任されたところで結果を残したい」と謙虚に前へ進んだ。
この時点で防御率は4.30。決して好調とはいえなかった右腕にとって、
ラミレス前監督による配置転換は転機になった。8月の9試合はすべて無失点の快投。クローザーに回ってからの失点をわずか6にとどめ、18セーブ、防御率も2.45まで改善させた。山崎の穴を埋め、十分に適性も示した1年。「三嶋が(抑えに)一番近い位置にいる」と指揮官が評価するのも自然だった。
宜野湾キャンプを順調に過ごし、2月27日の
日本ハム戦(名護)は1回1失点。オープン戦初登板となった3月7日の
オリックス戦(横浜)ですぐに修正した。1回を無失点で最速は151キロ。10日の日本ハム戦(横浜)も1回無失点だった。
2013年にドラフト2位で入団し、1年目は主に先発で6勝をマーク。オールスターにも出場した。投手力が課題だった当時の
DeNAで救世主的存在。2回9失点と結果を残せなかったが、14年には開幕投手を託されるほどだった。リリーフ専任から道を切り開き、ここ3年で179試合とフル回転。そろそろ、個人タイトルのご褒美があってもいい。
写真=井田新輔