
打でアピールして定位置を奪う
鮮やかな一撃だった。チームにとって今季初の対外試合となった
ロッテとの練習試合(2月13日、金武)。勝利の道を切り開いたのは、3年目の
小郷裕哉だった。
両軍無得点で迎えた4回無死一、三塁の好機。外角高めの直球を逆らわずにセンター前へはじき返した。この回、一挙3点を奪うとチームは8対3で勝利。
石井一久GM兼任監督に、初勝利を贈った。
2年目の昨季は自己最多となる58試合に出場。いずれも自己最高となる打率.295、4本塁打、12打点をマークした。レギュラー定着を狙う3年目。オフは自身と向き合って、さらなる成長を目指してきた。
まずは昨年の打撃データを分析。「真ん中付近しかヒットが出ていない」と、弱点の多さに気がついた。「もっとヒットにできるコースを増やしていかないといけない」とスイング自体も見直し、レベルアップを図ってきた。
春季キャンプでは高めの球に力負けもしないよう、懸命にバットを振り込んできた。今季初の決勝打は、高めの球をはじき返したものだった。「ちょっとでもヒットゾーンを広く、という意味では高めをしっかりはじき返せてよかった」と、本人は納得の表情を見せた。
「昨季は開幕一軍が目標でしたけど、今季はスタメン奪取が直近の目標。自分は打撃で期待されている。頭一つ、抜けられるようにしたい」。パンチ力も自慢の若武者が、全力で定位置奪取を狙う。
写真=BBM