
今季こそ先発の柱に
申し分のないシーズン初登板だった。3月31日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)。先発した
則本昂大が安定した投球を見せた。最速155キロのストレートに、130キロ台前半のチェンジアップなど変化球を織り交ぜ、7回途中1失点の好投。「これまでより一番緊張感があった。とにかく初の登板で勝ちをもらえたのは非常に大きい」と手応えをにじませた。
プロ9年目を迎える生え抜き。近年は誰より悔しいシーズンを送ってきた。2019年は右ヒジの手術を受けた影響もあって5勝5敗。20年は5勝7敗に終わった。巻き返しを狙う今季は、原点へと戻る構えだ。
実戦初登板となった2月23日の
日本ハムとの練習試合(名護)では、約1年ぶりにワインドアップでの投球も披露。2回を完全に抑えたフォームには躍動感があり、最速151キロを計時した直球にはキレもあった。
セットポジションからフォームを戻した理由の一つに、直球の質を高める狙いがある。「出力を出すのは必要。(ワインドアップは)シーズンでやるかは別として、現段階でやっておくのはいいと思う」と明かした。
オフには地道に走り込み、下半身を鍛えてきた。石井GM兼任監督は「上半身と下半身のバランスが非常に良く、うまくキャンプを過ごしてくれた。則本が1年間戦う決意を、成績で見せてもらおうと思う」と活躍を期待した。自慢の直球を極限まで磨き上げた右腕が、がむしゃらに打者へと立ち向かっていく。
写真=BBM