
ロングリリーフできるのも国吉の強みの一つ。今季は2試合4イニングを投げて自責点0
どっしりと構え、力強く前進している。自己と他者の比較などはしない。信頼と実績を積み重ね、
国吉佑樹は確固たる居場所を築き上げてきた。「自分がやるべきことをしっかりとやって、より多くの勝ちゲームに関われるようにしたい。それが一番だと思います」。開幕直前に
山崎康晃が一軍合流を果たした
DeNAの救援陣。今季は「9回打ち切り」の特別ルールで行われることが決定し、タフな右腕はさらに貴重な存在となりそうだ。
一昨年は自己最多の53試合に登板。オープナーに3連投が4度、4イニングのロングリリーフとフル回転だった。120試合の変則日程だった昨季も42試合に登板。3度の4連投をこなすだけでなく、防御率3.12と前年の4.86から大幅に良化させた。エスコバーの来日が遅れているとはいえ、
平田真吾や
砂田毅樹とともに安定した働きが見込まれている。
196センチ、106キロ。恵まれた体格をより投球に生かすため、昨年12月には福井県へ向かった。股関節の可動域と柔軟性を求めることが目的。同じ施設でトレーニングを行ったのは、48歳で現役復帰を目指そうとした
新庄剛志氏。小学2年で初めてボールを握った国吉少年にとって、あこがれのスター選手だった。
筒香嘉智(現レイズ)と同期で、10年に育成ドラフト1位入団。
石川雄洋が現役を引退し、チームで「横浜ベイスターズ」を知る現役選手は
田中健二朗と2人だけになった。9月で30歳。「ひと筋」の誇りが背中を押す。
写真=井田新輔