
會澤 翼
交流戦は巻き返しのきっかけとなる一つのチャンスと言える。リーグ序盤戦で下位に沈んでいたチームも、交流戦を終えて気づいたら上位に食い込んでいることもよくある話だ。下位に甘んじている
広島にとっても、上位進出へ流れを変える機会となるかもしれない。カギを握るのはチームの正捕手の
會澤翼だ。
今季は5月26日現在で24試合に出場し、打率.296、1本塁打、5打点をマーク。下半身のコンディション不良で5月4日に出場選手登録を抹消されたものの、順調にリハビリを重ね、早ければ5月中に一軍に復帰する可能性もある。コロナ禍の影響もあり、若手選手が主体となりつつあるチームで、精神的支柱の復帰は大きいだろう。
数字を見ても會澤は交流戦を“好物”としていることがわかる。正捕手に定着し始めた17年の同期間は16試合の出場で打率.311、1本塁打、7打点と奮闘。18年には16試合で打率.349、3本塁打、7打点、19年には17試合で打率.288、2本塁打、7打点と、過去3年で結果を残している。2年ぶりの交流戦でも奮闘することが大いに期待される。
坂倉将吾、
石原貴規ら若手捕手の台頭も光る中だが、経験値、勝負強さでは頭一つ抜けている。経験の浅い若い力だけではカバー仕切れない部分もあるはずだ。チームは苦しい状況が続くが、何とか交流戦で借金を返済し、できる限りの貯金を作っておきたい。パ・リーグの投手を苦しめてきた會澤が、リハビリを経て力を蓄えた打棒を振りかざし、暴れ回る。
写真=BBM