石原貴規が近未来のチームの「扇の要」を目指し、奮闘を続けている。2年目の今季は、攻守でアピールに成功し、熾烈(しれつ)な捕手争いの中で開幕一軍をもぎ取った。出場機会が限られていたことから一度4月中旬に出場選手登録を抹消。再び一軍に返り咲いたが、チームにまん延した新型コロナウイルスに感染。約1カ月間一軍の舞台から遠ざかった。その後、復活を遂げ日々存在感を強めている。
チームの精神的支柱で扇の要の會澤が、6月中旬に「左下腿腓腹(ひふく)筋挫傷」で戦線を離脱したこともあり、坂倉、磯村と併用で先発マスクをかぶる機会が増加中だ。7月14日現在で、捕手として18試合で先発出場。昨季から坂倉とバッテリーを組んでいた同期入団の森下とも、6月19日の
DeNA戦(東京ドーム)からコンビを組む。佐々岡監督は「技術面で(坂倉よりも)石原のほうが、というこちらの判断で」と説明していた。
強肩、正確なスローイングを武器とする一方、リード面で課題を残す。2試合連続で先発した6月19、20日のDeNA戦(同)では合計で21失点を喫した。「投手に対して申し訳ないなという気持ちがあるし、自分が出したサインで打たれている。そこは反省をしないといけない」。指揮官は「守りを期待しての起用。リード面でももっともっと勉強しないといけない」と奮起を促した。
正捕手・會澤が復帰するまで、今は捕手としての地位を確立する絶好のチャンスだ。「守備が頭の中で割合を占めている」という石原。定位置奪取へ鍛錬を続ける。
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