
四番としての仕事を果たした中村
前半戦の最後を、ライオンズは理想的な勝利で締めくくった。エースが好投し、打つべき選手が打って先制し、中押し、ダメ押しとたたみかけての快勝劇。その主役は、
中村剛也だった。
7月14ひの
ロッテ戦(メットライフ)、先発の
高橋光成が3回表までロッテ打線をパーフェクトに抑えると、その裏、二死一塁で打席に立った四番・中村が適時二塁打を放ち先制点を挙げた。さらに続く五番・
栗山巧が左前打で通算2000安打達成まで15本とすると、前半戦大ブレークを果たした六番・
呉念庭が7号本塁打を放ち、3点を追加。エースに4点をプレゼントした。だが、直後の4回表に高橋が崩れ3点を失い、1点差に詰め寄られてしまう。その緊迫した流れを一蹴したのも元祖キングだった。
7回裏、二死から三番・
森友哉が二塁打で出塁した場面で4打席目を迎えると、
ハーマンの直球を左翼席へ運ぶ9号本塁打。「今年打った中で、一番良かった」と、本人納得の一打で3点差と突き放した。また、8回裏、七番・
山川穂高がとどめの2ランを放つと、「山川が打って、僕もうれしかった」。今季、中村がチーム最多の44試合で四番に座っているが、「本来は、山川が打つべき」と、その実力を誰よりも認めている後輩の一打を我がことように喜んだ。
先制点、リードを広げたい場面での追加点と、“欲しい”ところで期待に応えた中村は、自身の連続安打も12試合に延ばし、最高の状態で前半戦を終えた。チームにとっても、後半戦へ大きな弾みとなる快勝だったことは間違いない。5位からの巻き返しに期待したいところだ。
写真=BBM