
ここから巻き返す
自慢のパワーを生かした、
オコエ瑠偉らしい一打だった。7月24日、強化試合として行われた侍ジャパン対
楽天戦(楽天生命パーク)。3点ビハインドで4回一死だった。オコエが同学年の
森下暢仁(
広島)が投じた直球を振り抜くと、鋭い打球が左中間を破った。
悠々と二塁に到達すると、直後の暴投で三進。茂木の犠飛で生還した。持ち味であるパワーとスピードで、得点につなげた。今季初めて一軍に合流し「二番・中堅」でフル出場。5対3の逆転勝ちに貢献すると「ほとんどがそつなくこなせて良かった」と手応えをにじませた。
一軍戦での出場は約1年半ぶりだ。今季は2月に左手首を手術し、長期間をリハビリに費やした。「手が使えないので、キャッチボールもできなかったですし、バッティングももちろんできなかった。走り込みがメーン。多分、プロに入って一番走ったんじゃないかな」と振り返る。
前半戦は棒に振ったが、高い潜在能力は首脳陣も認めるところだ。石井GM兼任監督も「ああいう感覚のある選手。キャッチャーの甲斐君に対してタイミングを計り、いい反応で三塁に行ってくれた」と抜け目ない走塁を称えた。
前半戦を終え、チーム総得点は339でパ・リーグ4位、チーム打率は.244でリーグ5位。長打力のある選手の台頭が望まれている。「ここまで来るのに結構大変でしたし、ここからもまだまだ大変なことが続くと思う。壁にぶち当たるたびに頑張ってこうと思っています」とオコエ。全力を振り絞り居場所を勝ち取る。
写真=BBM