
自分のスイングを貫いて状態を上げた森
2019年に打率.329で首位打者に輝き、リーグ連覇に大貢献した
森友哉だったが、昨季は.251と大きく成績を落とし、チームも3連覇を逃すという失意に暮れた。リベンジを期した今季は、まずフォームを一から見直した。
「去年ああやったから、こうやったから、というのは一切なしにして、とにかくしっくりくるフォーム。下半身をしっかりと使うこととバットの軌道に重点を置いて、一番スイングが強くできる形を求めてやりました」。
そして、自分なりに納得のできる状態で開幕。1打席ごとの数字変動の大きいシーズン序盤は、打率.262(3、4月の月間打率)となかなか思うような高い数字が残らなかったが、「いろいろな攻めの中で、自分のバッティングを崩したりは多少はあるとは思うが、自分のスイングはしっかりとできている」と決してブレることはなかった。
数字よりも自身の感覚を信じて貫いた結果、成績も徐々に上昇。前半戦終了時(7月14日)には.304まで数字を上げると、8月13日のリーグ戦再開からはさらに状態を上げた。新型コロナウイルス濃厚接触者の疑いによる離脱はあったが9月7日現在、打率.327。トップの
吉田正尚(
オリックス)の.338に次ぐリーグ2位にまでランキングを上げ、史上初の捕手として2度目の首位打者も支配に入る。
開幕前、「個人も大事だけど、まずはチームの成績」と話していた森。だが、クリーンアップを任されている上、捕手というポジション的にも、ライオンズはある意味『森の活躍あってのチーム』と言える。現在5位に沈むチームを浮上させるためには、背番号10の一層の躍動が必要不可欠なのは言うまでもない。
写真=BBM