
チームが苦しいときに力になれるか
まさかの結末だった。8月22日の
日本ハム戦(札幌ドーム)。今季、6月にプロ通算150勝を達成した
涌井秀章が敵地で8敗目を喫した。2回3安打2四球2失点(自責1)。持ち味である制球も安定せず、本来の投球を見せられず。翌23日には、出場選手登録を抹消された。
移籍1年目の昨季は11勝をマークし、自身4度目となる最多勝に輝いた。「先発の一つの区切りとして、1年間回るときにまず目標にするのが規定投球回と2ケタ(勝利)なので、達成できたのは良かった」。
今季も、2ケタ勝利を目標にスタート。開幕から4連勝で3、4月には月間MVPを獲得。序盤は順調だったが、5月以降は苦しい投球が続いた。6月4日の
広島戦(マツダ広島)で通算150勝を達成も、白星はその節目の1勝が最後。以降は6試合で0勝5敗。特に7月10日の
西武戦(
楽天生命パーク)以降は3試合連続で試合を作れなかった。
石井貴投手コーチは涌井が出場選手登録を抹消された際に「もう一度直球の威力、精度も含めて全体的なバランスを上げていこうと。本人とも話したけど、納得しながら練習を続けてくれると思う。大事な選手だし、やってもらわないといけない選手」と巻き返しを期待した。
8月終了時点で6勝(8敗)。同日の時点で1位の
宮城大弥は11勝を挙げており、2年連続5度目となる最多勝獲得は、かなり厳しい状況にある。それでも、右腕の意識は先発としての役目を果たすことにある。最終盤での本領発揮を期待したい。
写真=BBM