
ようやく自身の居場所を確保しつつある
期待のユーティリティー・プレーヤーがチームをもり立てた。10月13日の
ソフトバンク戦(
楽天生命パーク)。両チーム無得点で迎えた3回一死の守備。俊足・
三森大貴の三遊間への強烈な打球を
山崎剛が好捕。踏ん張りを利かせ、一塁へ矢のような送球でアウトにした。内野安打でもおかしくない場面。本拠地のファンから大歓声が上がった。
俊足巧打の内野手。二塁、遊撃の守備を高いレベルでこなす。ただ今季は出場機会を増やそうと、本職の内野だけでなく外野にも挑戦した。その努力が実り、6月18日の
オリックス戦(楽天生命パーク)では九番・中堅で今季初先発を勝ち取った。9月上旬には、不調でスタメンを外れた浅村に代わり二塁で先発。同月中旬からは「一番・遊撃」でスタメンに定着。だが、まだ満足はできない。「成長していきたい」と闘志を燃やしている。
まだ、ポジションへのこだわりはそれほどないという。プロ4年目で外野への挑戦を決断したように「まずは一軍に定着すること」が大目標だ。だが、そのがむしゃらに取り組む姿勢こそ、指揮官が評価するところ。「過去は未来の肥やしにしかならない。未来が大事。今まで頑張れなくても、今日頑張ればいい。今日頑張れなかったら、明日頑張ればいい」(石井GM兼任監督)。
二塁が無理なら遊撃で、遊撃が無理なら外野で。未来を信じて戦い続けてきたからこそ、今の山崎剛がある。どこでも守れる器用さは、努力の証しでもある。たゆまぬ努力で、今やチームに欠かせぬ戦力となった。
写真=BBM