
後半戦で数多くスタメン出場を果たした川越
相次ぐ主力の負傷離脱、成績不振によって打線が固定できなかった今季の
西武。その中で、夏の終わりから初秋にかけて九番打者として存在感を示したのが
川越誠司だった。
東京五輪のための中断期間が明けたタイミングで今季3度目の一軍昇格。8月24日の
ソフトバンク戦(メットライフ)に九番・右翼で約3カ月ぶりとなるスタメンに抜擢されて結果を残すと、その後も期待に応え、9月は全試合出場を果たすなど、後半戦のレギュラーをつかみ取った。力強いスイングで本塁打も打てる強打者とあり、相手に重圧を与えることができるという意味でも、下位に川越を置く意味は大きかった。
また、特筆すべきはソフトバンク戦の成績だ。対ソフトバンクのチーム打率が.236という状況の中、川越は11試合、39打席に立ち打率.351。中でも打率.176とチームとして最も苦手としている投手の一人である
千賀滉大に対して.375と得意としている。今季、チームは同投手の先発3試合で未勝利、わずか2得点と完全に抑え込まれているだけに、来季リベンジを果たすためにも、川越の相性の良さは絶対に欠かせないものとなるだろう。
一方で、野手転向3年目、長期にわたる連続スタメン出場の経験は初めてであった。相手からの対策も進み、10月の月間打率は.158と、シーズン終盤は成績を大きく落としたのも事実だ。明確となった課題にしっかりと向き合いつつ、低迷してもなお、最終戦までスタメンで起用され続けたことの意義を受け止め、今後の成長につなげていきたい。
写真=BBM