
契約更改では6年12億円[推定]の大型契約を結び、さらなる飛躍を誓った
心は「横浜」で決まっていた。
DeNAがシーズン全日程を終了した翌日、10月29日のことだ。遠征先の
広島から横浜へ戻り、
宮崎敏郎は会見を開いた。「横浜DeNAベイスターズというチームが好き。ファンの皆さまと勝って、喜びを分かち合いたいというのが一番の理由です」。6月に取得した国内FA権を行使せず、残留することを表明。三浦監督の現役時代と同じ、6年契約だった。安定した三塁守備に加え、最大の武器は磨き上げた打撃技術。今年もそれは変わらなかった。
2016年に三塁のレギュラー定着後、自身4度目の3割超えとなる打率.301。規定打席に到達したチームの野手で、最も少ない53三振だった。今季は3、4月の15三振が最多。5月から4カ月連続で1ケタ三振にとどめ、打率.368で絶好調だった7月は41打席でたった3三振と出色だった。「基本的には真っすぐに振り負けないように。練習の1球目で、その日が決まるというぐらいの気持ちでやる」。調子が良くても悪くても、取り組みを変えない努力家。通算でも3184打席で274三振しかしておらず、三振率は8.6%と極めて低い数字だ。
12月に33歳を迎え、6年契約は事実上の生涯ベイスターズを意味している。「(ファンの)熱い気持ちは届いている。勝たないといけない。このメンバー、仲間で優勝したい気持ちは強いです」。最下位からの巻き返しに燃える来季は、節目のプロ10年目を迎える。
吉田正尚(
オリックス)に匹敵する「三振しない男」。まだまだ進化する。
写真=大賀章好