常に挑戦する姿勢で進化を続け1年目から大ブレークを果たした
伊藤大海の辞書に「2年目のジンクス」という言葉は、おそらくないだろう。1月6日に二軍本拠地の鎌ケ谷スタジアムで自主トレを公開。今季の意気込みを漢字一文字でとお願いされ、書いたのは「攻」だった。
「投球で攻めることはもちろん、もっともっと高みを目指していく中で守りに入ることなく、いろんなことに挑戦することを攻めると捉えてやっていきたい」と、堂々とした口調で言い切った。
1年目の躍進は誰もが認めるところだ。チームでは先発として開幕ローテ入りを果たし、新人投手では2006年
八木智哉以来となる2ケタ勝利(10勝)をマークした。東京五輪では侍ジャパンのメンバーとして追加招集され、中継ぎの役割を全うして金メダル獲得に貢献した。国際舞台でも、ペナントレースでも強気な姿勢で投げ続けてファンの心をつかんだ。
そんな大ブレークの1年は、勢いだけに任せたものではなかった。常に進化を求めて、挑戦し続けていた姿もあった。サイドスローで投げてみたり、超スローカーブを投じたり。試合の中でも遊び心を持ちながら投球の幅を広げる作業を続けた。
その中で今季へつなげるオフのテーマは「骨の髄まで感じて投げる」。疲労がたまっていた昨季の後半戦は「がむしゃらに投げていたところもあった。それだと、もったいない」と体全体を余すところなく使ってバランスよく投げる意識を体に染み込ませている。そこに失敗を恐れる姿はない。厳しくなるであろう他球団のマークも意に介せず、「2年目の大飛躍」だけを目指す。