
順当ならば信頼度抜群のエース・上沢が開幕投手を務めるはずだが、果たして……
今季の開幕投手候補筆頭は、やはり
上沢直之だ。昨季はキャリアハイの12勝。実力は十分。チーム内の信頼も厚く、人間性も含めてエースの資質を備える。2年連続で大役を務めれば、
大谷翔平(2015~16年)以来。昨季10勝で2年目を迎えた
伊藤大海が対抗馬となりそうだが、順調にいけば、
ソフトバンクと開幕戦を戦う3月25日の先発マウンドに上がっているはず……。しかし、今季は
新庄剛志監督が就任。簡単に先行きを読むことはできない。
BIGBOSSは1月21日に行われた新ブランド・新ユニフォーム発表記者会見で、開幕投手について言及した。「上沢君、伊藤君。去年活躍したかもしれないけど、今年に関しては本当に横一線。誰が開幕投手になるか、僕も決めていないし。キャンプ、オープン戦を見て、こいつが一番いいという選手を初っぱなに投げさせたいと思う」。全くの白紙を強調。新人監督らしく、まずは競争を煽る形を取った。
さらに新庄監督からは「調子悪かったら、すぐ二軍落とすから。今年は、そういう僕の方針なので、よろしくお願いします」や「彼(上沢)の力なら16か17(勝)はしてもらいたいなと本当に思う」など、次々とハッパをかけられた。会見に同席していた上沢も、その言葉の数々を聞いて表情を引き締めた。新ユニフォームに身を包んだエースは「しっかり期待に応えられるように頑張ります」と力強く話した。
本命の上沢、対抗の伊藤だけでなく、誰が開幕投手争いに加わるのか。キャンプイン直前に上沢と伊藤はそろって新型コロナの陽性判定を受け、スタートは出遅れた。合流後の巻き返しへ、熾烈な開幕投手争いがキャンプの見どころとなる。
写真=BBM