
南郷キャンプで順調に調整を進める高橋
7年目の昨季、自身初の開幕投手に選ばれた
高橋光成。昨年度パ・リーグMVPに輝いた
山本由伸(
オリックス)との投げ合いを見事に制し開幕戦白星を飾ると、以後、5月28日まで10戦5勝0敗と抜群の安定感を披露し、“新エース”誕生を予感させた。
6月、10月と続けて打ち込まれる試合も何度かあったが、自身の中では方向性は決してブレることなく、常に「いかに自分のピッチングができるかどうか」にフォーカスし、調整と試合を繰り返して自己最多の11勝を挙げたことは収穫だった。また、「シーズン通してローテーションを守れたことはよかった」と、先発投手としての重要な役割を果たせことも大きな自信となった。
今季も
辻発彦監督からの信頼は厚く、オープニングピッチャーの最有力候補だ。高橋本人は、開幕投手へのこだわりについて「正直、そんなにはない」と言うが、決して無関心だということではない。「開幕戦も大事ですが、それ以上に、1年間トータルで活躍したい」との思いがはるかに強いのである。
「20年は前半が悪くて後半が良かった。21年は前半が良くて後半が悪かった。今年はバランスよく勝てるように」と、さらなる進化を求めて昨秋から無駄を省いたフォーム改善に着手している。目指すのは、もっともっと高いレベル。「日本を代表するピッチャー」である。
「今年は絶対に優勝したい。日本シリーズは、また雰囲気が違うと思う。ああいう舞台で投げたことがないので、ぜひ投げて、笑ってシーズンを終えたいです」
それを実現するためにも、開幕マウンドを託された暁には最高の準備を整え、全力投球でチームに勢いをもたらしてみせる。
写真=BBM