
一軍キャンプでは持ち味をアピールした
規格外のパワーだった。キャンプ第1クール最終日の2月4日、ドラフト2位の新人、
安田悠馬がフリー打撃で特大弾をかっ飛ばした。自慢のフルスイングから放たれた打球は、122メートル先のバックスクリーンの最上部を直撃して場外へ消えた。推定飛距離155メートルのアーチを「センターにいったので、あれは飛んだんじゃないかなって思ってました」と満足そうに振り返った。
この日は、約60スイング中15本のサク越えをマーク。キャンプイン初日には約60スイング中17本をスタンドにたたき込んだ。
石井一久GM兼任監督も「まずは自分を信じてやってほしい」。新人が持つ潜在能力を高く評価している。
2月13日の
日本ハムとの練習試合(金武)でプロ初のスタメン出場を果たした。1打席目から3打席目までは相手の変化球に苦しみ凡退。しかし8回二死二塁の最終打席では、左中間へ適時二塁打を放った。初安打と初打点をマークし、正捕手獲りへアピールした。実は6回、捕手としては交代していた。だが特別ルールでDHとして打席を与えられた上、打席に向かう前には石井監督から「自分のスイングをしろ」とゲキを飛ばされていた。しっかり結果を残した新人に指揮官も「逆方向への大きな当たりは彼の特長。プロの投手に慣れていってほしい」と期待する。
強肩強打の新人捕手だが、レギュラー奪取にはリード面でもさらなる成長が求められる。安田は「先輩たちにしっかりついていけるように」と短い言葉に決意を込めた。一歩ずつ。だが、着実に前へ進んでいく。
写真=BBM