「失敗しない男」が好アピールを続けている。慶大からドラフト4位で入団した渡部遼人が、2月11日の紅白戦に出場し、初打席初安打で外野のレギュラー争い参戦をアピールした。キャンプ初の紅白戦に、紅組の一番・中堅で出場。第1打席で左腕・
佐藤一磨の外角直球をとらえて左前に運び、左対左も苦にしないことを実証した。
慶大時代に24盗塁を成功させた“アウト知らず”のルーキーは「タイミングとか場面とか状況判断をしながら、より正確に」ときっぱり。プロでも失敗ゼロを継続してみせる。
新人の攻守走に、
中嶋聡監督は目を細めた。初回の中堅守備で、チーム屈指の俊足を誇る一塁走者・
佐野皓大の三進を阻んだ好返球に触れ「走ったほうも殺したほうもいいアピール」と高く評価した。翌12日には紅白戦の紅組、二番・中堅で先発出場し、先発ローテの一角・
山崎颯一郎をはじめ
黒木優太、
漆原大晟、K-鈴木と一軍戦力の経験を持つ投手陣から4打数4安打。さらに実戦初の二盗を決め、広い守備範囲も披露した。
渡部は理想のプレースタイルを「むちゃくちゃいいのは近本(
近本光司・
阪神)さんとかですね。長打も打てる」と阪神不動の中堅手の名を挙げるなど新人年からの活躍を誓う。
オリックスの外野陣の層は厚い。左翼に選手会長の
吉田正尚、中堅にリードオフマンの
福田周平、右翼には昨季、32本塁打でタイトルを獲得したラオウこと
杉本裕太郎が君臨する。熾烈なスタメン争いとなるが、渡部も自身の特徴を生かして、負けじと勝負していく。
写真=BBM