
通算1000打点&2000安打に向けて、松田はまだまだ若手に負けるつもりはない
チームの野手で最年長となる38歳の
松田宣浩は今季17年目を迎える。1月中旬に新型コロナウイルスに感染し、春季キャンプはC組(三軍)スタート。筑後のファーム施設で調整を続け、2月10日に宮崎入り。A組(一軍)に合流した初日、報道陣に向けきっぱりと言い切った。「雰囲気? ぬるいっしょ。活気なかったでしょ」。チームの元気印として、そして長年レギュラーとして支え続けてきたプライドをのぞかせた。
昨季は三塁手としてのパ・リーグ最多出場記録を塗り替えた。9月29日の
西武戦(PayPayドーム)ではプロ野球44人目となる通算300本塁打を達成。輝かしい記録をつくった一方、115試合の出場で打率.234、14本塁打、47打点の成績に終わった。シーズン終盤には若手の
リチャードに先発機会を奪われるなど、苦しい1年となった。契約更改では球団史上最大額となる3億円ダウンの年俸1億5000万円でサイン(金額は推定)。退団も頭をよぎった中、再び定位置奪取への覚悟を決めた。
2019年に30本塁打を放って以降、2年連続で不本意な成績が続いているが、持ち前の闘志がなくなったわけではない。「プロ1年目から毎年、ずっと競争のつもりでやってきた。まだまだ若手に負けるつもりはない」。通算1000打点まで残り16打点、そして2000安打までは189本に迫っている。「数字を一つずつクリアしていくことがモチベーションになる。必ず達成したい」。終わったとは言わせない――。2022年、“熱男”の逆襲が始まる。
写真=中島奈津子